ヤマハ発動機が第1位を獲得、無人ヘリコプターから発生する騒音を効果的に検証
21 12月 2021
Hexagon Manufacturing Intelligence (Hexagon MI)のグループ会社であるエムエスシーソフトウェア株式会社(代表取締役社長:加藤 毅彦、本社:東京都千代田区)は、ヤマハ発動機株式会社(代表取締役社長:日髙 祥博、本社:静岡県磐田市、以下 ヤマハ発動機)が、世界中のMSC Nastranユーザーの、エンジニアリングと設計の革新性を称える「2021 MSC Nastran Excellence Award」の第1位に選ばれたと発表しました。ヤマハ発動機は、流体、構造、音響のシミュレーションツールを革新的に組み合わせて、無人ヘリコプターから発生する騒音を効果的に検証しました。
「MSC Nastran」 は、高精度な有限要素解析(FEA)で広く使用され、信頼されており、NASAのアポロミッションで使用されて以来、構造解析の業界標準ツールとなっています。事実上すべての産業分野で使用されており、2021年の受賞候補からもその多様性が伺えます。候補に挙がったプロジェクトは、eVTOL航空機のモデルのシミュレーションからファブリックで覆われた風力タービン部品のマルチスケール解析など様々で、HexagonのCenter of Excellence 構造解析部門の技術、製品およびマーケティング担当者で構成される専門家パネルによって審査されました。
ヤマハ発動機は、無人ヘリコプターの設計と開発において、MSC Nastranを創造的に活用したことで1位を獲得しました。社内の設計ワークフローに流体-構造-音響のCo-Simulation手法を組み込むことで、運用中に発生する騒音をさらに低減させるための洞察を得ることができました。MSC Nastran、「Cradle CFD」、および音響解析「Actran」を組み合わせることで可能になった複合領域解析は、革新への可能性を拡げ、無人ヘリコプタービジネスに新たな機会をもたらし、設計の初期段階からエンジニアリングプロセスを含めた包括的なアプローチを可能にしました。
ヤマハ発動機株式会社 ロボティクス事業部の水野健太氏は次のようにコメントしています。
「見えなかった『音』が見えようになることは、メインロータに限らず無人ヘリ全体の設計開発に大きなインパクトをもたらします。また流体解析と構造解析の効果的な連成により、設計から解析、試作を経て仕様を確定するまでのプロセスを効率化・高速化することで、業種や用途に最適化されたメインロータのカスタム開発に貢献することを期待しています」
日本では、ヤマハ発動機株式会社が1990年代初頭にフラッグシップのR-50無人ヘリコプターを最初に発売したことで、特に農業における無人ヘリコプターの開発と使用をリードしてきました。その後ヤマハ発動機は、様々な環境での無人ヘリコプターの使用を最適化するために、設計の改善を続けてきました。
航空機は遠隔操作されますが、その騒音はオペレーターの疲労につながる可能性があります。水野氏は述べています。「宅地の周辺にある圃場を飛行させることもある農業用途では、無人ヘリの騒音対策が求められます。静音性を高めることは作業者の疲労低減にもつながります。これまでもエンジンの4サイクル化等により、エンジン音の低減を実現してきました。私たちは、さらに進んで、メインロータが発する『音』を減らしたいと思っています」
水野氏は、副賞として贈られる$1,000をすべて、日本盲導犬協会に育成資金を贈る「YAMAHA NICE RIDE募金」に寄付することを決定しました。
騒音公害は、社会的、環境的、あるいは製造業の持続可能性における重要な課題です。私たちの都市や産業施設の規模と複雑さが増すにつれて、世界的に生物多様性に大きな悪影響を与える騒音公害の緩和は、生活の質にとって益々重要になっています。 MSC Nastranは、自動車、飛行機、およびその他の有害な騒音源の音響性能を改善し、より静かで快適で持続可能な環境を構築する上で重要な役割を果たしていきます。
第2位には、Ford Motor社とDaptaが選ばれました。
Ford Motor Corp.のPhilipp Roemelt氏は商用車のルーフラックの効率的な疲労試験の設計で受賞し、次のように述べています。「車両の耐久性はこれまで以上に重要な役割を果たします。MSC NastranやCAEfatigueなど最新のCAEテクノロジーを活用して、タイムリーでコスト効率の高い手法を使い耐久性のある車両を設計するのに役立ちます」
DaptaのOlivia Stodieck氏は、環境を配慮したグリーン航空機開発において最新の航空機構造の質量を減らす為に、操縦翼の空力弾性に関して複合材の繊維配向テーラリングに関する学際的な研究アプローチを作成したことで受賞しました。この新しいアプローチにより、持続可能な高性能製品の開発がより迅速かつ効率的に可能になります。
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